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TRAINING・SUPPORT研修・勉強会

医療みらい創生機構 FUKUOKA FUTURE TOUR

福岡県
研修

北原理事長が中心となり、「新しい医療」で日本を立て直すことを目的に設立された【医療みらい創生機構】が主催する医療みらいFUTURE TOUR。

4回目となる今回のツアーのテーマは一次産業である【農業】。

 

【医療×農業】というテーマを中心に食の安全について、そして【まちづくり】・【異業種とコラボレーション】を通し地域活性化を進める様々な取り組みを視察するため、農業の生産額が北海道を凌ぐ、第二位の地域である九州地方(ちなみに一位は関東地区)にて開催された。
根食社長のご厚意で、大竹常務とともに私、篠原も参加させていただいた。

 

ツアー前日15日。16日の早朝の便という事もあり、羽田空港のホテルに前泊。ホテルのバーに着いて早々、私の軽はずみな言動により、薬局管理者として自覚やお金という物の怖さを社長よりご指導頂き、私はその夜眠れず朝を迎えるというツアー幕開けとなった。

医療みらい創生機構 FUKUOKA FUTURE TOUR -1日目-

ツアー1日目。 朝7時過ぎ羽田より福岡へ向かう。

 

空港で軽めの朝食の後、今回のツアー参加者と合流し、チャーターバスの中で簡単な自己紹介。
約30名の参加者がおり、北原理事長主催のツアーなので医療関係者が多いと思っていたが、NECや大学教授、市議会議員まで多種多様の職種の方々が参加されていた。
医療関係者は我々と2名の歯医者のみであった。
医療関係者がいかに閉鎖的な空間で働いており、逆にいかに多くの業種が【医療】という分野に興味を持っているかというのを感じた。
自己紹介を終え約20分で第一目的地である南国興産株式会社が経営する地域アンテナショップ・グローウェルカフェに到着した。

 

グローウェルカフェ
グローウェルカフェ

 

こちらの南国興産株式会社は、循環型社会形成のため、鶏・豚・牛など家畜のフンを燃料として発電可能なボイラーの建設や、本来棄ててしまう鶏等の骨など可食部以外を加工し、再び鶏達のエサにするという事業を行なっていた。

 

今後、資源の少ないカンボジアでこのシステムを導入していくとの事だった。
この事業は無駄が無く素晴らしいプロジェクトに思えるが大きな問題がある。
それは同種を原料とする餌を与えているという問題である。
分かりやすい例が狂牛病(牛海綿状脳症(BSE))だ。
BSEの原因には諸説あるが、スクレイピー(羊にて起こるプリオン異常が引き起こす狂牛病のような疾患)に感染している羊の内臓などを十分な加熱処理をしないで飼料原料として使用したために発生したと言われる。
そしてBSEに感染した牛の脳や脊髄を原料としたエサを与えられ、他の牛へと感染が拡大した。

 

現在牛の脳や脊髄を家畜の餌に混ぜず焼却するといった規制が行われておりBSE問題は激減している。
もちろん南国興産株式会社は牛の特定部位を原料としてはおらず、BSEなどの検査も十分に行っているだろう。しかし、鶏、豚でいつ同様の事が起こるのか誰にも分からないというのが生物の怖いところである。
そしてBSEなどの異常プリオンの問題だけでなく、同種を原料としたエサに与えるということは遺伝的疾患の蔓延など生物学的に多くのリスクを抱えている。
特にカンボジアなどの発展途上国で行うとなると、日本のように管理が行き届くとは考えにくく、上記のようなリスクが高まることが容易に懸念される。
北原理事長や根食社長、その他医学・農業の知識がある方達はこのプロジェクト対し、強い違和感を抱いていたようだ。
昼食には「さつまポーク」という名で南国興産が自社農場で育てた豚肉が用意されたのだが、根食社長に至ってはほぼ手を付けず、何も疑問を感じなかった私はその残りを平らげてしまい、今思えば医療人として恥ずかしい限りだ。

 

次に福岡市が開発を行なっている港整備の一環としてアイランドシティという埋め立て地の見学を行った。
博多港はその立地もあり日本有数の貿易港である。また貿易だけで無く、近年は外航クルーズ客船の寄港回数も大幅に増えている。
そのため、大型コンテナ船の航路確保のため海底を掘る必要がある。その掘った土砂(しゅんせつ土)を活用し、建設されたのがアイランドシティである。
ここにはコンテナの船から積み下ろしする「みなとづくりエリア」と学校・病院・住宅地区がある「まちづくりエリア」に分かれている。
まず「みなとづくりエリア」の香椎パークポートを見学した。コンテナ取扱個数日本6位ということもあり、凄まじい量のコンテナが大型の特殊な機材で運ばれている様子は圧巻で何時間でも見ていられる。

 

 

パークポートを後にし、一行は居住区へと向かった。
高層マンションや戸建ての家、学校や病院、ショッピングモールなどが建ち並ぶ。
一角にはCO2ゼロ街区と呼ばれ、太陽光パネルが基本設備になっているいわゆるエコ住居が建ち並ぶ地区もある。
若い世代が多く、このご時世に小学校が足りないため現在増築中というから驚きだ。
いずれはアイランドシティ内で使える電子マネーなどの導入も検討しており「スマートシティ」を目指すという。

 

次に向かったのが「まちづくりエリア」にある「ベジフルスタジアム」である。
こちらはいわゆる青果市場で、もともと福岡市に3カ所あった旧市場を一本化する目的で整備された市場である。また通常、市場関係者しか入ることの出来ない「市場」というものを一般人により知ってもらうため、「ベジ(ベジタブル)フル(フルーツ)スタジアム」という親しみやすい名前をつけたとのこと。

 

ベジフルスタジアム
ベジフルスタジアム

 

そのため、施設内には見学路が確保されており、要所・要所に説明板が設置されている。
設備面でのウリとしては温度管理が施設内のほとんどエリアで出来ているとのこと。驚いたことに日本の市場ではまだ1割近くの市場でしか、きちんとした温度管理ができていないようだ。
しかし肝心の施設内は時間帯もあってか閑散としており、我々以外の見学者はいなかった。

 

ベジフルスタジアム内の様子
ベジフルスタジアム内の様子

 

実際に市場内取引(いわゆる「せり」)は全取引の1割程度に過ぎず、そのほとんどが市場外取引とのことだった。
そうなるとそもそも「市場」という存在意義、また多額の費用を投入して市場を移転させた意味など多くの疑問点が浮かぶ。
スマートシティ構想を初めとして、私はこのアイランドシティの所々に「無駄」を感じた。
「まちづくり」を行う上で本当に必要なものなのか、本質を見据えた上での政策とは何なのかを考える良いきっかけとなった。 市場を後にし、宿泊先のハイアットリージェンシーホテルへ向かった。

 

部屋に荷物を置き、すぐにイベント会場へ。

 

「FUTURE ROOM」と題したこのイベントでは、医療みらい創生機構の代表、北原理事長より日本の医療の本来の姿を切り口に「あなたの仕事は誰を幸せにするのか」という内容の講演をしてくださった。

 

次に福岡地域戦略推進協議会のディレクター清崎氏より企業や大学との連携し、地域活性化活動の概要を話してくださった。
最後に、家庭菜園など支援するSNSを開設しているファームプロ代表竹内氏より「農業」を通じて日本を活性化するプロジェクトについて講演をしていただいた。
3人併せて約2時間半の講演。非常に情報量が多く充実した時間となった。
講演が終わり、同ホテルにて懇親会が行われた。
他業種の方とお酒を酌み交わす貴重な時間で、NECの方と物流システムの話や市議会議員の政策の悩み等、普段では聞くことの出来ない話を伺うことが出来た。
その後、近くの居酒屋で2次会へ。
たまたま北原理事長の近くに座らせていただくこととなり、元素の事から始まり、宇宙や宗教のこと、最後は合コンの必勝法まで約2時間の貴重な追加ランチョンセミナーを受講させていただいた。

医療みらい創生機構 FUKUOKA FUTURE TOUR -2日目-

アグリガーデンスクール&アカデミー
アグリガーデンスクール&アカデミー

アグリガーデン スクール&アカデミー代表取締役の堂脇氏より概要の説明を頂いた。
教育・研究・ビジネスという3方向から農業を考えている。
後継者への教育はもちろん、有機栽培や土壌のことまで幅広い知識を得ることが出来る。
また、研究の一環として、畑にセンサーを入れ、日照時間等合わせてデータ化し、土壌中でどのような事が起きているかを研究していた。

 

また、放棄農地にエゴマを育て、搾油したものを販売し、ビジネスにも繋げるという試みも行っていた。
現在、約20名の学生が在籍している。農業関係者はもちろんだが、農業とは無縁の仕事をしている方も多い。特に印象的だったのはシステムエンジニア(SE)の方だ。北原先生の話だとSEの方はうつ病が非常に多いという。しかし、ここに在籍しているSEの方は非常に明るく前向きで、万年悩まされていた肩凝りもないとのこと。
【農業】が【医療】に繋がる非常に面白い例だと思う。
余談だがアグリガーデン スクール&アカデミーは元々農業高校の校舎を再利用しているため、教室での講義だったのだがとても懐かしい気持ちになった。

 

教室内にて
教室内にて

 

学校の概要の説明後、酵素ジュースというものを頂いた。
この地域で慣例的に作っているもので、野菜や果物に大量の砂糖を混ぜ発酵させたもので、漬け物のような泥のようなお世辞にも美味しいと言えるものではなかったが、作った方の話だと様々な酵素が含まれているから体に良いとのこと。しかし作り方が、いわゆる糠漬けと同じで毎日手でかき混ぜて作るとのこと。棒などではなく手に常在している菌が発酵に役に立つらしいが、衛生面などを考えるとなんとも言えぬ気持ちになった。
教室を後にし、実際に学生が手入れをしているという畑の見学を行った。

ここでは完全有機栽培をしておりニンジン等多くの作物を育てていた。
有機栽培と一口に言っても、ただ農薬や化学肥料を使わなければ良いというものではない。
植物の生長に必要な窒素やリンなどが必要量確保できるよう土壌中の微生物をうまくコントロールするため様々な知識が必要である。

 

日本で現在、「有機野菜」として売られているものの中には実際必要な栄養素が十分量含まれていないものなども存在し、逆に「慣行農業」と言われる農薬を使う一般的な方法で育てられた野菜の方が安全で栄養価も高い場合もあるとのこと。「有機野菜」だから一概に良いというわけではなくきちんとした知識を持って栽培することで初めて価値が生まれる。
また作物にとって日照時間や気温は重要であることは誰でも知っていることだが、加えて土壌の管理がきわめて重要という話もあった。
管理がしっかりなされている土壌では多少気候が悪くてもはねのけるほどエネルギーを持っているというから驚きだ。
実際にこの畑で育ったニンジンを食べさせてもらった。生で食べたのだが非常に甘みが強く、かつエネルギーを感じた。ニンジン嫌いという根食社長が食したのが何よりの証拠だろう。

 

施設内農園の様子
施設内農園の様子

 

エネルギーを目の当たりにし、一行は次の目的地「姫野病院」へ。

 

姫野病院
姫野病院

 

姫野病院は病院と介護施設が一体となった施設で、特徴的なのは全室個室でしかも差額なしで運営しているということだ。
そのため本来であれば500床近く確保できる敷地面積のところ120床程度で建設されている。
移動距離が長いため、廊下の案内を色分けして患者が迷うことがないよう工夫している。また各フロアはそれぞれ、ハワイや日本、オランダなどの観光地をコンセプトに壁紙やインテリアに力を入れ、いわゆる「病院感」をなくしていた。
同時にスタッフの移動距離も長くなるので、インカムやiPadなど使用し効率よくスタッフ配備ができるような機器を導入している。

一方で個室にするとコミュニケーションの低下などのリスクが考えられる。
これらリスク防止のため各フロアには広いロビーを設けており、患者同士がいつでもコミュニケーションをとれる場所を提供し、また定期的にイベントを催している。また個室にすることで家族等のお見舞いの滞在時間が大幅に増えたため、会話も増え認知機能低下の防止にも繋がっているとのことだった。

また過疎化が進みスタッフ確保が難しい姫野病院は様々な離職対策をとっていた。まず行ったのが仕事の「見える化」である。医者・看護師・薬剤師・作業療法士等など多様な職員が働く病院内にて他の職員との連携がとれておらず違うタイミングで同じような仕事をしている事があるなど業務の無駄があった。
これを職員間で「見える化」することにより業務の無駄・連携の伝達ミスをなくし効率的に業務を行うことにより「残業ゼロ」を目指すという。 その他、子育て世代のため自前で保育所を設置するなど様々な工夫がなされていた。

これだけ聞くと、とても素晴らしい病院にみえるがいくつか疑問点が浮かぶ。

まず、この病院のコンセプトである「全室個室」についてだが、確かにお見舞いに来る家族は個室の方が長居し会話も増えるだろう。しかしこの事はお見舞いに来ることができる家族が病院の近くに住んでおり、足繁く通うことが前提条件である。過疎化が進む地方で家族が病院の近くに住んでいることはそう多くはないだろう。
お見舞いがない患者にとって本当の「個室」になってしまい他人とのコミュニケーションは非常に取りにくい環境になり得てしまう。またそれに関連して気になったのが病室の監視カメラだ。全部屋に設置されており病院スタッフはいつでも患者の様子や不在の確認が出来るため業務の効率化ができているとのこと。もちろん患者が希望しない場合は撮影しない。病院スタッフの説明だとほとんどの患者が安全・安心のために希望しているとのことだが仮に私が入院した場合、監視カメラの希望は絶対にしない。

個室病棟というより独房のように感じる患者は少なからずいるのではないかと思う。果たして患者本人が本当に監視カメラの設置を希望しているのか疑問だ。
そしてコミュニケーションの場であるロビーの運用関にしても、食事する患者がいる一方でリハビリを行っている患者が同じ空間にいることにも大きな疑問を感じ、また様々なレクレーションなども付け焼き刃のように感じてしまう。

 

また別の問題として、全室個室にしたことで廊下は間延びし、移動距離が長くなる事も大きな問題点であろう。病院に来るのはあくまで「病人」である。整形外科や透析が主たる診療科であることから体の不自由な患者も多い。そのような患者が壁紙など工夫しているとは言え、人工的に彩られた無機質な病院の長い廊下を移動しなくてはならないのは患者だけでなく介護者にとっても利点は少ないだろう。

せっかく広い敷地面積に恵まれており自然も近くにある。人工的な観光地紛いの空間にいるより、手近にある本当の自然に囲まれる事の方が数段、患者にとって利点があるように思える。
病院経営者である北原理事長は、まさに「病院の動線は短く、すべてコンパクトに納める」「自然を多く取り入れる」という考えをお持ちだ。

今年9月にカンボジアに完成したサンライズジャパンホスピタルはそのコンセプト通りの病院で、訪問した際に非常に感動したのを覚えている。
「完全個室」「広い病院」「介護施設の併設」等様々な特徴を持つ姫野病院。
現在はほぼ満床状態とのことだが過疎化・高齢化が進む地方で、10年後、20年後と現在と同様の医療が提供できるのだろうか。
これは後から同行した大竹常務より伺った内容だが、姫野病院の薬剤部では現在薬剤師6人、調剤補助者が7人いるとのこと。無資格者の調剤が問題となっている昨今、調剤補助者がいると堂々と説明する病院の体制にも問題点が浮かび上がる。

様々な工夫・取り組みを行っており、敷地にも恵まれている姫野病院。

その一つ一つが院長や理事長の自己満足のレベルで終わってしまっているようでとても勿体ない気がするのは私だけではないだろう。
もちろん姫野病院の体制について全て否定するわけではない。
昼食として用意された姫野病院の入院食はとても美味しく、出来る限り有機野菜を取り入れるなどの努力もされている。姫野病院に限った事ではないが医療提供機関である限り「自己満足」ではなく本当に「患者本位」の体制を整える必要があると思う。
美味しい病院食で空腹が満たされた後、一行は熊本県にある鶏卵直売所「コッコファーム」へ。

 

こちらは「産みたての新鮮で安心で安全な卵を直接お客様に届けたい」ということをモットーに養鶏業から直売店経営まで行っている会社だ。
通常、産卵から出荷までは2-3日前後かかるところわずか1時間弱で店頭に並ぶ。
その新鮮な卵を求め九州各地から年間延べ100万人近くの客が来るというから驚きだ。
また新鮮さだけでなく、鶏たちには無農薬の穀物、ニンニクなど独自ブレンドの餌を与え、卵の質や味にもこだわっている。

 

卵販売だけでなくその卵を使ったケーキやパンなども人気商品だ。併設されたフードコートではオムライス等も味わうことが出来る。
また「にんにく卵黄」などの健康食品なども手がけており様々な事業展開を行っているコッコファーム。
若い会社の育成にも協力的で、自社にある会議室や事務所として使える部屋を小さい会社に格安で貸し出し、会社間の連携・成長に協力している。
コッコファーム松岡社長は「農業を若者がつきたい職業No1にする」と語る。
コッコファームで根食社長に買って頂いたシュークリームの味がその熱意の表れだと感じた。
次に最終視察先であるティアというレストランへ向かった。こちらはいわゆるドクターズレストランで〔食べることを通じて健康になる〕というレストランだ。

 

ティア
ティア

 

時間の関係上食事を取ることは出来なかったが、有機野菜を使ったグリーンスムージーを頂きながら、代表の折笠氏より熊本の被災の話、ティアのモットー等を伺った。以前は様々な体に良い物をビュッフェスタイルで提供していたとのことだが、ビュッフェスタイルだと必要以上に食べてしまい、本末転倒となってしまう。しかし急にビュッフェスタイルをやめるとお客が離れてしまうことも懸念され踏み切れずにいた悩み中、震災を受け店内のほとんど失ってしまった。それを機にビュッフェスタイルを中止し、適量を提供する通常の定食形式切り替えたとのことだった。
まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」。
どうも日本人はメディアなどで「体に良い」「ダイエット」など話題となるとそればかり注目する傾向があるように思える。
正しい情報を提供していくのも医療人としての勤めだろう。
また震災を受けほぼ全壊してしまったエアポートホテルの社長より復興の話を伺った。

 

復興といってもエアポートホテル熊本のホームページを見てもらえれば分かるが、まだ営業の再開は出来ていない。
現在国の補助金などを使い、新しく作り直している真最中だ。
そのコンセプトは「自然に囲まれた城のようなホテル」
完成したら一度は泊まってみたいものだ。

 

最後に使用済みの食用油を回収しバイオディーゼル燃料を精製している「自然と未来株式会社」の女性社長である星子 文氏よりお話を頂いた。
ここ数年で注目を浴びているバイオディーゼル。皆さんも一度は耳にした事があるだろう。この会社の驚くべき所はその精製技術だ。
本来バイオディーゼル精製する場合、原料となる食用油などの油脂からグリセリンをエステル交換により取り除き粘度を下げる等の化学処理が行われる。
原料となる廃食用油は性状にばらつきがあるため処理の仕方により品質が極めて不安定になる。万が一不完全な精製油が混入し、着火温度の差が発生するとエンジンの不調や破損の原因となる。

そのためバイオディーゼル燃料の純度により使用できる車種が限定される。
現在多くのバイオディーゼル燃料は精製純度が低いためディーゼル車に使用できないものが多い。

しかしこの自然と未来株式会社のバイオディーゼルは純度99.9%を誇り、環境に優しいディーゼルエンジンにも使用することが出来る軽油代替燃料だという。
また熊本地震の際、ほとんどのライフラインが切断され、緊急車両や発電所もエネルギーを確保できない中、このバイオディーゼル燃料が無料で提供され、燃料が届けられた地域はいち早く光が届けられたという。
その貢献も認められ、エネオス協力のもと2020年の東京オリンピックの聖火リレーにも参加が決まったようだ。

しかしこの「資源」に関しては様々な利権が絡んでおり、星子社長は他のエネルギー会社より毎日のように嫌がらせや脅迫、拉致軟禁までされた事まであるという。
そこまでされても信念を貫く勇気には脱帽だ。

この信念の元に実現された、本来捨られてしまう使用済み食用油がこのような形で社会に役に立つということに、北原理事長、根食社長はとても感銘を受けたようで、八王子で同様のプロジェクトが出来ないかという話になっていた。
まさに「あなたの仕事は誰を幸せにするのか」という考えにぴったりあったプロジェクトだと思う。 興奮冷め止まらぬまま一行は熊本空港へ。

 

空港の丁度中央部が震災で損傷し、左右の建物で分断されてしまい通り抜けが出来ず補修工事の最中であった。ここでも震災の凄まじさを思い知ることになった。現在すっかり報道が減った熊本地震。東京にいるとすっかり復興しているように錯覚してしまう。実際に現場へ足を運び、生の声を聞くということがいかに重要か思い知らされた。
北原理事長やスタッフとともに空港のレストランで食事。
ここでも北原理事長による沖縄や戦争についての貴重な追加講演を受講させて頂き、搭乗口へ。

 

最後の最後で大竹常務が搭乗チケットをなくすというハプニングもあったが、無事に東京へ戻ってきた。

 

今回の視察を通して、「農業」「医療」「まちづくり」など様々な事を学んだ。
多くの施設を見学し、多くの話を聞くことが出来た。感銘を受けるものや疑問に思う内容まで膨大な量の情報の中で常に「本当に必要なものなのか」と問いかける必要性を感じた。その判断のためにもあらゆる知識が必要であり、今後も多くのものを見て、学んで、経験することが不可欠だと思う。
このような機会を与えてくださった根食社長にお礼の言葉を申し上げるともに、今後医療人として「私の仕事は誰を幸せにするのか」ということを自分に問いかけながら日々の業務に望みたい。

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